2012年4月11日水曜日

患者さんの「やる気」を引き出すことの大切さ


 2階南病棟は、2007年7月病棟再編し、医療型療養26床、介護型療養12床、合わせて38床の病棟となりました。医療型療養には終末期の方が多く、病棟の空気も緊張し重たいものがあります。この病棟に、70代のAさん(男性)が、巨大褥瘡の治療のため長期療養で入院されました。

●褥瘡が治るには数年かかる

 Aさんは、入院時から治療に対する意欲が見られず、不平不満ばかりでしたが、ある日を境に変わりました。「俺は、家に帰って自分の布団で休みたい。だから頑張る」と意欲的にリハビリに取り組み、ほぼ改善し在宅退院されました。患者さんと話し合い、目標を共有しなければ「やる気」は起きないということ、気持ちを聴くという当たり前の看護を再認識することができました。


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 Aさんは、自営の仕事を引退後、2〜3年前から下肢の筋力低下が出現、ふせりがちな毎日を送っていました。元来、医者ぎらいで、今年1月に感冒症状が出ましたが、受診せず市販薬で対応。1週間後ほとんど寝たきりになり、左臀部に褥瘡ができてしまいました。

 2月中旬、39度の高熱が出、数日後、往診を依頼し診てもらったところ、炎症がひどく公立病院へ入院することになりました。入院後、皮膚科で治療を受けましたが、背部と左臀部にかなり広範囲に深く骨にまで達していたため、治癒には数年を要する状況とのことでした。長期療養が必要ということでみさと協立病院に転院されてきました。

 ADLはほぼ全介助状態ですが、幸いなことに頭部CT上は決定的なダメージは少なく、廃用による影響が強いということがわかりました。

 褥瘡に対する治療は、エアーマット使用を継続、患部の洗浄とシンプルで安価なラップ療法を取り入れ継続しました。


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●Aさんの不満、不信はつのるばかり

 リハビリもすぐに開始しました。良い姿勢を保つために枕などを当てるのですが拒否。発熱を繰り返すためリハビリは中断がち。主治医の交代も重なり、スタッフに対する不満や、薬のやり取りから不信感がつのり、さらに追い討ちをかけるように他の患者さんの不穏などがあり、不眠症状が出るなど悪循環の連続でした。

 面会に来られた妻へ不満をぶつけるため、妻からも病棟を変えてほしいとの要望が出されるなど膠着状態が続きました。その都度、看護計画や治療方針を説明してきましたが、Aさんの納得にはつながりませんでした。


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●何を頑張ればよいかを話し合う

 この状態を何とかしたいという思いでスタッフの話し合いを行いました。Aさんは自分がどうなるのかわかっていないから不安なのではないかという意見があり、主治医や妻を交えて本人の気持ちを話していただくことを提案しました。Aさんの言い分、妻の言い分を出し合い、どうしたいのかを確認しました。重たい口をやっと開いたAさんは「俺は、1日でも早く家に帰りたい」と自分の気持ちを出すことができました。退院はいつ頃という目標を決め、何を頑張ればよいのかを話し合いました。

 この面談を機に、食欲が出てリハビリに対する自発性が見られ、座位耐性もよくなりました。褥瘡の改善が見られ、妻にも笑顔が見られるようになり、介護指導や在宅調整も順調に進み、予定通り3ヵ月で退院となりました。満面の笑顔で病棟を後にされました。


 退院後、家庭訪問をさせていただき、往診医、訪問看護によるラップ療法も継続されており、経過はとても良く安心しました。Aさんはたまに晩酌も楽しみ、妻の外出時には留守番もしているということを嬉しそうに話されていました。

 治療や看護方針、看護計画は、本人や家族と話し合って決めるということを、高齢者の多い病棟ではつい忘れがちになってしまうことをAさんから教えられましたし、深く反省させられました。「やる気」は、免疫力を高め、心身共にプラスの循環を作ることを認識した事例でした。在宅で元気に暮らしているAさんの報告を聞きながら、退院援助の方法も振り返りができてスタッフ全員が元気になりました。



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